あの時に、あんなに怒らなければ良かった…
感情のままに怒ってしまったことを、後悔した経験がある人は多いと思います。
怒りは私達が感じる中で最も危険な感情であり、上手くコントロールできないと大きな被害を及ぼしてしまいます。
本記事では、怒りと上手く付き合うための方法について紹介していきます。
怒りをコントロールする方法を知りたい方はぜひご覧ください。
・なぜ怒りを抑えないといけないのか
・怒りをコントロールする考え方
・怒りを抑える方法
なぜ怒りを抑えないといけないのか?
怒りを抑えることが大切な理由は、怒りがあらゆる感情の中で、最も危険な感情であるからです。
怒りはいろいろな感情の中で最も行動に現れやすく、そのため及ぼす被害も大きくなるのです。
例えば、自分が失敗したことを友達が成功して嫉妬を感じたとします。
なんで俺はできてないのに、あいつはできるんだ…
嫉妬も行き過ぎると他人との関係に悪影響を与えますが、嫉妬はある程度抑えることが可能です。
また、行動に現れてもそれほど大きな被害を及ぼすことはないでしょう。
友達に嫉妬したとしても、表面上は喜んでみせることはできると思います。
しかしこれが怒りになると、簡単に抑えることができず、場合によっては友達との関係を一瞬で壊すことに繋がります。
怒りを抑えられず、次のような行動をしてしまった人も多いと思います。
・部下がミスをして怒鳴ってしまった
・子供が言うことを聞かないので怒ってしまった
・感情的になり、友達にひどいことを言ってしまった
このようなことから、怒りは感情の中で最もコントロールが難しく、周りとの関係を壊す原因となるので被害も大きくなることが分かります。
1度壊してしまった物を元に戻すことはできません。
友達との関係を一時の怒りによって壊してしまったら、2度と取り戻すことはできないのです。
また、怒りは信頼を失う原因にもなります。
例えば、友達だけでなく会社の部下や、子供に対して怒ったことがある人も多いと思います。
会社で部下によく怒る人を想像してみましょう。
当然ですが部下からの信頼を得ることはできず、そのため周りからの信頼や評価も下がっていきます。
同様に、いつも怒る親を子供が好きになるはずがありません。
次第に子供は親を信頼できなくなり、関係は離れていくでしょう。
このように日常的に怒りを覚えている人は、周りとの信頼を築くことが難しく、怒りにより人間関係を壊しやすくなります。
そのため怒りをコントロールして、周りと良好な関係を気づいていくことが大切になるのです。
怒りを抑えるための考え方
怒りは弱さの現れ
怒りを抑えるには、怒りが弱さの現れであることを認識しなければいけません。
怒りは自分の弱さの現れであり、弱い人ほど怒ることが多いのです。
よく他人を注意したり、説得や叱る時に怒る人がいますが、本来は怒る必要はないのです。
理性的に丁寧に話しても、相手は納得するはずです。
ここで怒りを使うのは、相手を萎縮させて自分に従わせやすくするためです。
つまり、怒りは自分の精神的な弱さを現しているのです。
人格者や優れた人物をイメージした時に、怒る人を想像する人はいないと思います。
逆に好きになれない人や尊敬できない人をイメージすると、怒る人が思い浮かんできます。
このように、精神的に強い人間は怒りを使う必要がなく、精神的に弱い人ほど怒りを使いやすいのです。
怒りは抗えない感情のように思われてますが、あくまで物事を自分の思い通りに進めやすくするための手段であるので、抑えることができます。
そして怒りは抑えることができるので、相手の行動とそれに対する自分の行動は別になってきます。
例えば、相手にバカにされたからと言って、怒りを感じてこちらもバカに仕返す必要はありません。
自分の行動は自分で決めるものであって、相手がどうしたかは関係ありません。
また嫌いな相手にも、できるだけ好意的に接することが大切です。
相手のバカにしたような行動にも好意的に返せれば、自分の精神の成長を感じらるようになります。
そして、相手よりも自分の方が精神的に勝っていると感じることで、心に余裕を持つことができるのです。
そのため、怒りを感じた時は次の2つを思い出して、怒りを抑えるようにしましょう。
・怒りは自分の弱さの現れであり、抑えることができる
・精神的に強い人間は、怒りを使う必要がない
自然なことを受け入れる
怒りを抑える時に大切なのが、自然なことを受け入れることです。
私達は、次のような自然なことに対して怒りを覚えます。
・物事が思い通りにいかない
・自分の想像したものと違う結果になった
しかし、自然な出来事に対して怒りを感じるのは間違っていて、受け入れるしかないのです。
例えば、他人が思った通りの行動をしなかった時に、怒りを感じる人は多いと思います。
何で思ったように行動しないんだ!
しかし他人の行動は操ることができず、他人が自分の想像と異なる行動を取ることは当たり前のことなのです。
そのため、このような当たり前のことに対して怒ること自体が間違っているのです。
また、他人に悪口を言われて怒りを感じる人もいるでしょう。
しかし、悪口を言わない人がこの世に存在することがありえるのでしょうか?
答えはもちろんNOです。
それなのに私達は、他人の心無い言葉に怒りを覚えるのです。
何でそんなことを言うんだ !
つまり当たり前の事を受け入れられずに、怒っているのです。
逆に悪口を言う人もいると考えられれば怒りは収まり、気持ちも楽になるでしょう。
私達は他人の言動に怒りを覚えますが、誰しも気づかない内に他人を傷つけているものです。
そのため怒りを抑えるには、相手の立場になって考えることが大切です。
他人の言動に怒りを感じた時は、『自分もそのような行動を取ることがあるな』と思い返すことで相手を許しやすくなります。
また、もしかたらあなたに酷いことを言った人は、仕事で悩みを抱えていたり、家庭に問題を持っているかもしれません。
どんな人でも環境が悪かったら、酷い行動を取りやすくなってしまいます。
そのため相手に怒りを感じた時は、相手の身になって考えることで、相手への怒りが抑えることができるのです。
もしも自分が相手の立場だったら、同じ行動を取るかもしれないな…
そして大切なのは、物事が上手くいかなかったり、自分の思い通りいかない時に自然なことであると受け入れることです。
自然なことに対して怒りを覚えるのは、晴れて欲しい時に雨が降ってきたので、怒ることと同じです。
❌ 何で雨が降るんだよ!
天気のような自然現象に対して怒った所で意味はなく、また怒りを覚えること自体が間違っています。
雨が降ってきたら傘をさすしかないのです。
⭕ 雨が降ってきたし、傘をさそう。
このように、自分でコントロールできないことをコントロールしようとすると、怒りを感じ悩みやすくなります。
大切なのはコントロールできないことは受け入れて、自分でコントロールできることを変えていくことなのです。
コントロールできないことを変えようとする人は、人間関係の悩みでも相手の行動を変えようとします。
しかし他人の行動を変えることはできないので、いつまで経っても悩みは解決しないのです。
例えば、職場の同僚と合わず人間関係で悩んでいたとします。
ここで相手の行動を指摘したり、アドバイスをして同僚の行動を変えようとすると、自分でコントロールできないことを変えるのと同じなので、難しくなりいつまで経っても問題は解決しません。
❌ 君のここと、この行動は直した方が良いよ。
できないことをやり続けていても、自分が辛い思いをするだけです。
そこで大切なのが、自分でコントロールできることつまり自分自身を変えていくことです。
例えば自分の態度を反省して、自分にも直せる所がないか考えましょう。
⭕ 自分にできることを直してみよう…
他人とのトラブルで、どちらかが100%悪いことはありません。
必ずどちらにも少なからず悪い箇所はあるのです。
ここで相手が100%悪いと考えると、自分にできることがなくなるので、どうすることもできなくなります。
❌ 相手が悪くて自分は悪くないと考える
→ 自分にできることがなくなるので、問題を解決できない
しかし、自分にも悪い点があったと考えられれば、自分にもできることが見つかるので、問題を解決することができます。
⭕ 自分にも悪い所があったと認める
→ 自分にもできることが見つかるので、問題を解決しようとできる
そして、自分の行動が変わっていけば少なからず同僚の行動にも変化が現れるでしょう。
このようにコントロール出来ないことよりも、自分でコントロールできることから変えていくことが大切です。
怒りを感じた時は当たり前のことだと受け入れて、自分でコントロールできることを変えていくことを意識していきましょう。
自然なことを受け入れる考えを、学びたい方は次の本がおすすめです。
興味がある方はどうぞ。
怒りを抑える方法3選
これまで怒りのデメリットと、怒りを抑えるための考え方を紹介しました。
しかし、時には怒りを覚えたくなることもあると思います。
ここでは、怒りを抑えるための効果的な方法を3つ紹介します。
怒りを感じた時は、これらの方法を使ってみてください。
① 怒りに点数を付けて詳しく表現する
1つ目は、怒りに点数をつけて詳しく表現することです。
怒りを客観視できると、怒り上手くコントロールできるようになっていきます。
例えば怒ってる時でも、怒っている状態を分析できれば、冷静になり段々と怒りが収まっていきます。
自分は今、上司にバカにされて怒りを感じているな…
怒りを客観視するには次の2つの方法がおすすめです。
1.怒りを10点満点で表す
2.怒りを詳しく表現する
1.怒りを10点満点で表す
1つ目は怒りに点数を付けることです。
怒りを具体的な数値で表すことで、客観的に見れて冷静になっていきます。
今の怒りは3点ぐらいかな。
また点数で表すことで、そこまで怒ることでないと認識して、怒りを抑えることができます。
例えば、運転中に交通ルールを守らない人に腹を立てたとします。
ここで怒りを点数で表すことで、そこまで怒ることでないと分かり、必要以上に怒ることを防ぐことができます。
自分もルールを破ることはあるし、2点かな。
点数も低いし、そこまで怒ることでもないや。
2.怒りを詳しく表現する
2つ目は、怒りを詳しく表現することです。
例えば上司に怒られた時も、
❌ 怒られてムカつく
と思うのでなく、
⭕ 自分は言われた通りにやったのに、理不尽なことで怒られていることに怒りを覚えている
と詳しく表すことで、怒りを正確に分析して客観視することができます。
怒りを感じた時はこの2つの方法を使って、客観視することを意識しましょう。
② 他のことに集中する
2つ目は、別のことをして気をそらすことです。
怒りのピークは6秒と言われています。
そのため、この時間に注意を他のことに向けることで、怒りのピークがすぎ怒りを抑えることができるのです。
僕のおすすめの方法は、頭の中で100から7ずつ引く計算をすることです。
93、86、79、えっと…
頭の中で計算することで、他のことが考えられなくなり、段々と怒りが収まっていきます。
他にも気を紛らわせるなら何でも良いですが、この方法は簡単にできるのでおすすめです。
怒りを感じた時は、別のことを考えて怒りを抑えるようにしましょう。
③ 深呼吸をする
3つ目は、深呼吸をすることです。
深呼吸は簡単にでき、ストレス解消に科学的に効果があることも認められているので、おすすめです。
深呼吸をする時のポイントは次の2つです。
1.ゆっくりと長く呼吸する
2.吸う時間よりも、吐く時間を長くする
1.ゆっくりと長く呼吸する
私達の呼吸は興奮したり、怒っている時に速くなります。
緊張やストレスで過呼吸になると、呼吸は速くなりますよね。
そのため逆に、ゆっくりと長く呼吸することで、リラックスして感情を抑えることができます。
2.吸う時間よりも、吐く時間を長くする
呼吸で大切なのは、吸う時間と吐く時間の割合です。
私達の呼吸は吸っている時よりも、吐いている時の方がリラックスできると分かっています。
そのため呼吸をする時は、吸う時間よりも吐く時間を長くすることを意識しましょう。
これら2つのポイントを意識して、深呼吸をすることでストレスを減らすことができます。
他にもストレスを解消する方法について知りたい方は、こちらの記事をどうぞ。
まとめ
本記事では、怒りを抑えるための考え方と、具体的な方法について紹介しました。
怒りは感情の中で最も危険で被害を出しやすいため、怒りを抑えてコントロールできるようになることが大切です。
本記事の内容を意識して、怒りを上手くコントロールできるようになりましょう。
怒りのコントロール法について詳しく知りたい方は、おすすめの本を紹介します。
興味がある方はどうぞ。